前回はMatchæologist®(抹茶オロジスト)の創始者の抹茶との出会いをご紹介しました。
抹茶と出会い、その文化や歴史に魅了された創始者はどうやったらその文化や技術を後世に受け継いでいけるのだろうと、考え続けました。
格式の高い茶道文化は本当に素晴らしい。しかし茶道を習う人口は増えているわけではない。となると、どうすればより抹茶を広めていけるのだろう?あるいはどうしたらもっと抹茶や抹茶文化に興味を持っていただけるのだろう?
翻ってワインはなぜこんなにも人気があり、広く飲まれているのだろう?
そこで彼はワインの二重構造に目をつけました。ワインには特別な時に飲むもの、あるいは特権的な階級の人々が飲むような高級ワインがあります。しかし同時にカジュアルなビストロやトラットリアで、そして自宅で誰でも気軽に愉しめるようなワインもあるのです。
抹茶もきっと、誰でも手に取れること、そして日常に落とし込むスタイルを確立することでワインのような二重構造を持って広がることができると確信しました。さらに、そもそも抹茶に興味を持ってもらうこと、もともと興味はあるけれどなかなか踏み出せなかった方々にとって、わたしたちは抹茶や抹茶文化のファシリテーターとなっていこうと思い至りました。
創始者はご縁もあって京都の宇治で100年以上の抹茶づくりの歴史を持っているお茶屋さんや生産者さんたちに出会いました。そして大会での優勝歴もある腕の確かな茶葉鑑定士とともに論考と協議を重ね、ついに上質な茶葉を使用したハイエンドな抹茶と、カジュアルにもいただけるのに旨味やコクのしっかりあるタイプの抹茶、そしてお料理にぴったりな抹茶のブレンドに成功しました。茶器は現代のライフスタイルにフィットするよう機能性がありモダンなデザインを採用。日本の職人さんの協力を得てオリジナルのマドラーのような茶筅や、抹茶のグリーンが美しく映える繊細な二重グラスの器を作り上げました。それらの完璧なツールを、今度はUK本国のデザイナーによって、和の要素をほとんど感じさせないミニマルなパッケージに落とし込み、徹底的に洗練されたプロダクトを誕生させたのでした。
そうしてついに上質なワインを愉しむのと同様の上質な抹茶と、朝一杯のコーヒーのように日常的に使用できるグレードの茶葉の両方を、みなさまの日常に提案することができるようになりました。
少し伝わりましたでしょうか。正当な、芸術的な茶道文化に敬意を払いつつ、合理性や必然性を取り入れて誕生したのがMatchæologist®なのです。