レストランにいくとワインの種類によって様々に異なった形のグラスが用意されます。それは、グラスの形状がワインの味に影響を与えるから。ではそれはワインだけでしょうか?そんなはずはありませんね。ビールも、グラスによって味わいが違って感じられますし、エスプレッソのカップと通常のコーヒーカップ、ティーカップもそれぞれに違います。それぞれのドリンクと器の関係は、飲み頃の温度や香りの楽しみ方、そもそものドリンクの味の性質によって変わっていきます。
例えばシャンパンやスパークリングワインに使用するのは口径が狭く細長い形状のフルートグラスですね。空気に触れる面積が小さいため炭酸が抜けにくくなっています。また、口径が狭く少しずつ飲むことになり、炭酸の刺激が和らぐのです。
一つ前のコラムでも書きましたが、形状やデザインは機能に即していることがわかります。機能に即していて、目的を達成するためにそのデザインになっているのです。
では抹茶の場合はどうでしょう。やはり器によって味が変わるのでしょうか?答えはYes!です。Matchæologist®の茶葉をCloud Glass Chawanと他の器とで飲み比べてみると、はっきりと味わいの差が感じられるはずです。
Matchæologist®の器に近い形状のワイングラスはピノノワールグラス。ボディは膨らみがあり口径は狭くなっています。ピノノワールグラスは口径が小さいことでピノ・ノワールという品種の葡萄の複雑で豊かな香りを閉じ込めます。また、口径が狭いため甘みを感じる舌の先端部分に最初にワインが触れ、柔らかな味わいを感じることができます。これはソムリエが使用する味覚地図を参照すると納得できます。舌先で甘みを、舌の中央では旨み、舌の奥で苦み、そして両側で酸味を特に感じるのだそうです。
ピノノワールグラスのように口径が狭くボディに膨らみのあるCloud Glass ChawanでMatsuを飲んでみると、まず複雑性のあるMatsuの豊かな香りを感じることができます。そして口径の大きなスタンダードな抹茶碗と比較すると、舌先から中央部が最初に抹茶に触れることでよりまろやかで穏やかな味わいを感じられるのではないでしょうか。さらに口径が狭いこととダブルウォールになっていることで温度も保たれ冷めにくく、最後の一口まで楽しむことができるのです。
茶葉によっても味わいはかなり違いますが、器によっても変わる風味。ぜひいろんな茶葉、いろんな器で楽しんでみてくださいね。