前回のコラムでどうして口径の狭いグラス茶碗を設計したのかをお伝えしました。口径が狭い茶碗にはマドラータイプの細長い茶せんがぴったり。簡単にMatchaを点てることはできますが、裏千家のお手前のようなクリーミーな泡立ちを実現するのはなかなか難しいと思います。とはいえ、泡立たないわけではありませんので、ご安心くださいね。
そもそもMatchaの泡立て具合は流派によって異なるなど、統一ルールはありません。ましてやMatchæologist®は自由なMatchaスタイル。必ずこれをしなければ!ということは何一つありません。ただ、実際泡立てると口当たりがマイルドになりますし、見た目も美味しそうですよね。ここでは簡易的な、ちょっとした泡を作るコツをお伝えしますね。
[準備するもの]
① 茶杓2杯分の茶葉
② 80℃以下のお湯を70ml
まず①をグラス茶碗に入れます。②の半分くらいをグラス茶碗に注ぎます。
注いだら細かく素早くダマをなくすように茶せんの穂先を前後に動かします。少量のお湯で先に点てるのは、空気をなるべく含ませるため。空気を含ませることでよく泡立つのです。ちゃんと少量のお湯で素早く前後に動かせば、この時点で泡立ちます。ダマがなくなって泡立ったら②の残りのお湯を注ぐだけ。泡が消えることはありません。お湯を注ぐ際に茶せんについたMatchaを流すように注ぐと、さらに泡が残ります。
いかがですか?とっても簡単ですね!
もっとちゃんとクリーミーな泡立ちを実現させたい!という方は、片口ボウルと Traditional Chasenなら本当に綺麗に作れます。お湯の量を計るのに便利なビーカーもチェックしてみてくださいね。
ところでどうしてMatchaは泡立つのかご存知ですか?Matchaが泡立つのはサポニンという苦みを感じさせる成分が含まれるため。大豆にも含まれるサポニン。植物にとっては病原菌から身を守るもの。人間に取ってはコレステロールを除去したり血流をよくしたり、免疫力アップに役立ってくれるのです。美味しくヘルシーなMatcha。ますます手放せなくなりそう!
Photography by Tom Gwerzman