上質な抹茶を飲むことは、上質なワインを飲むこととよく似た素晴らしい体験ができます。独自の長い歴史を持ち高い評価を得ているこれらの2つの飲み物は、製造プロセスで必要とされる高度な専門知識と多大な努力だけでなく、風味の特徴の幅と深さにおいても非常に類似しています。これらの2つの飲料が並行して持つ性質は、高品質な抹茶が本当に素晴らしいワインと同レベルの賞賛を得るにふさわしい理由を説得力のあるものにしてくれています。
歴史:栄西が日本に抹茶を伝えてから800余年の歴史があります。抹茶は中国から日本に渡り、日本人によって開発され、特に茶道を中心に発達してきました。当初は日本社会の一部の階級に属するもので、抹茶を作ることができるのはごく少数の御用達だけでした。抹茶が民衆化され、徐々に大衆に取り入れられるようになったのは、17~18世紀になってからです。それでも高級ワインの世界と同様、最高級の抹茶を作る知識や技術は希少で、今日でも幾人かのエリートな生産者に受け継がれています。
テロワール:上質なワインのように、特別な抹茶を作ることは、テロワールの概念、または茶に影響を与える自然環境の特性、つまり土壌、気候、高度、湿度、降雨量に関係しています。土壌の中の石灰岩の影響が良質なピノノワールを養うように、テロワールは抹茶の味の特徴に大きく関与しています。 「オールドワールド」*の最も高価なワインは一般的に南ヨーロッパの地域に関係していますが、”crème-de-la-crème”(最高級)グレードの抹茶は京都の南端にある宇治の町に関連付けられています。
*フランス、イタリア、スペイン、ドイツ、ポルトガルなどのEU各国