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Interviews:#2 中井 波花(陶芸家) "思考の堆積が生み出す新しい陶芸"③

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この度Matchæologist®はブランドと通底するミニマルで落ち着いた、穏やかに静かに躍動するアートやアーティストをフィーチャーし、皆さまにMatchaを飲んだ後のような心地良さを感じていただけるメディアを茶の湯にまつわるアーティストプロデュースを手がける"無茶苦茶"とスタートすることとなりました。

2人目のアーティストは素材を再解釈することで新しい造形表現を追求する陶芸家の中井波花さん。伝統的な素材や手法を用いながらも、新たな視点から生み出される唯一無二の作品とその思考について迫りました。

前回の「既存概念を覆すニュースタイルの確立」はこちら

 

感情が迸る先へ、まだ見ぬ陶芸を目指して


ーメディアのテーマでもある「茶の湯」に対するイメージやご自身の作品に反映される精神性があれば教えてください

お茶は流派を変えながら5年ほど習っていました。始めたきっかけは陶芸との関係が深かったのでとりあえずやってみようという感じです。最初は所作やお茶時の流れを覚えることで精一杯。ただ慣れてくると徐々に季節を感じることができるようになるんですよね。今まで聞こえなかった小さな音が聞こえたり、周りのうつろいに敏感になったり。私にとってお茶の時間は感性を養う楽しくて貴重な時間でした。

陶芸との関わりでは「見立て」の文化との親和性を強く感じています。例えば拾ってきた石を食器に見立てて食べ物を盛ることもできるし、全く別の用途のものを茶碗として使うこともできる。アイデア1つでたちまち作品となるような懐の深い文化だと思っています。以前、穴の空いた抹茶碗を作ったのですが、抹茶を飲む時は器の顔(正面)との関係上、飲み口が決まっています。普通ならこのままでは使えない。でも作品として成立させたい。その時に発想の転換で、飲み口を外せば穴があいていても抹茶碗として使えるのではと思いアイデアを膨らませました。「見立て」という文化は私の創作に非常にマッチする考え方で作家として自分の居場所があるなと感じた価値観です。


ー何でもありなのに良いものとそうじゃないものが出てくるのが茶の湯の奥深いところでもありますよね


大前提としてまずは思いきり自分がやりたいクリエイションをする。そこで生まれるかっこいい現象がたくさんあるので、それらをどう整理することで用途性を持たせられるか。そのプロセスが面白いと感じています。だから茶碗をはじめ茶の湯にまつわる作品を作ることは非常に楽しいです。このルールを押さえておけば機能としてはクリアできているなとか、日常使いとアートピースとの狭間にあるもので、ルールに則れば成立するものだと思っています。脳の使い方が普段とは違うので刺激になりますね。


ー最後に、さらに追求したい表現や挑戦したいことなど今後の展望を教えてください


大きな方向性としては土と釉薬というものに囚われず「陶芸素材の再解釈」を続けながら新しいものをクリエイションしていきたいです。もっと近い展望で言うとダイナミックな現象を扱っている一方で、細かな点にフォーカスしながら作品の密度を上げたい。例えばこの色にしたいと思って焼き上げた時の色が本当に心から表現したかった色なのかとか。色の可能性を追求したら未知の表現ができるかもしれないと思っています。やっと自分自身の技術が思考に追いついてきたので、私はこれをもって何を表現したかったのか、何を語りたかったのか、何でこれが好きなんだろうという感覚的な部分を改めて考えなければいけない時期だなと感じています。 現在の作品もかっこいいから、好きだから、という表面的な部分がまだまだあるので、試行錯誤して研究した成果として、こういう現象があるからこそ美しいと言えるような作品の密度をあげていきたいです。この薄さにはこういう自分の想いが表現されているからとか、こういう感情をカタチにできたから好きだとか。その想いを誰かに伝えたりタイトルにするのは必須ではないと思いますが、目に見えないものをしっかりと理解して作ることで、同じものでも作品としての強度が全く異なると思います。自問自答をして自分のことをもっと理解したいですね。


あとは9月から滋賀県の信楽にある陶芸の森に半年間行く予定です。世界を舞台に活躍する陶芸家が滞在制作しています。私が扱うのは現象なので大きな作品になるほど成形や焼きのコントロールが難しくうまくいかないことがほとんど。でもやっと陶芸の事が少し分かってきたので、新しい環境ならではの制作ができればと思っています。例えば作品のスケールを上げるとか。きっと上手くいかないことも多いと思いますが、悔しい思いをする中で次に活かせる種を見つけられると思っています。素材、技法、形。陶芸には沢山の可能性があり私自身も自分がどう変化していくのか楽しみです。




【Profile】

中井 波花 / Namika Nakai

1993年北海道札幌市生まれ。多治見市陶磁器意匠研究所修了。陶芸において、ごく当たり前に使われる土と釉薬を、融点の異なる陶芸素材と再解釈しやきものの新しい表現を追求。歪みやひび割れを用いた、力強さと繊細さが共存するアンビバレントな美しさを表現している。
https://www.instagram.com/namika_nakai

 

株式会社 無茶苦茶(Mucha-Kucha Inc.)

"Respect and Go Beyond"をミッションに既存概念に囚われず「茶の湯」の新たな可能性を探求する新進気鋭のアーティストのプロデュース&マネージメントを行う。https://mucha-kucha.co.jp/

2022 5月, 10
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